アルメニアという国についてご存知でしょうか?ヨーロッパ諸国の1つで、民族舞踊の伝統を重要視していることでも文化を尊重する国の1つです。アルメニアの民族舞踊のダンサーたちは古くから伝わる歌と踊りを次世代に伝える重要な役割を持っています。ダンサーたちが身にまとう衣装は地方によってスタイルが異なります。地域ごとに異なる文化や習慣を踊りで表現してきた歴史があります。
アルメニアンダンスにはさまざまな種類があり、戦争や別れを象徴するようなダンスも特徴的です。たとえば、戦争を表現した「ベルド」「トラハグ」では男性たちがお互いの肩に乗り合って踊るスタイルや国のために戦った時代を表現しています。もともとは戦争前に兵士の士気を上げるために儀式で行われていたようです。このダンスでは実際の動きや武器の使い方をシミュレーションしていました。
一方で女性的で優雅な踊りには「ウズンダラ」と呼ばれている女性ソロのダンスがあります。もともとは花嫁の儀式として実家との別れを意味する踊りです。他にも円陣を組みながらお互いの肩に手を乗せて踊るスタイルも見られます。現在では多くのアルメニア人がロシアに住んでいますが、異国に住んでいてもアルメニアの伝統的なダンスを維持しています。そのため、ロシア人もアルメニアンダンスに対して好意的です。
アルメニアンダンスを踊る男女が着ている衣装は日本ではなかなか見られないデザインが多いでしょう。しかし、アルメニアにとっては文化を守るための手段の1つです。アルメニアンダンスでも伝統を守るためによく身にまとわれています。この衣装は大きくわけて西と東の地域でわかれます。アルメニアの衣装は土、水、空気、火の意味を表現する色が特徴的です。もっといえば、土の茶色、水の白色、空気の赤、火の黄色を表現するために作られています。
色他にもアプリコット色は慎重さと常識、青は正義を象徴しています。独特な技術でアルメニアの衣装を作られていましたが、現在では失われた技術もあるようです。色の組み合わせは地域ごとに異なるので、アルメニアに行く機会があれば見比べてみると面白い発見があるかもしれません。
そもそもアルメニアという国を初めて聞いた人も少なくはありません。ここで少しアルメニアについて紹介します。アルメニアはジョージア、アゼルバイジャン、トルコ、イランに囲まれた海がない内陸国です。ヨーロッパの文化がありつつも中央アジアの文化が残されています。ロシアにも近いことからアルメニア人の多くはロシアに移住しているケースがあります。また、キリスト教の発祥もアルメニアであることから世界遺産が多く残されています。
日本からはアルメニアの首都エレバンまで直行便がないため、アラビア諸国にあるカタールのドーハ空港を経由して行く方法が一般的です。飛行機の他にもジョージアから電車やバスで入国する方法もあります。もし、アルメニアに行く機会があれば旅行会社で電車やバスを手配してもらうとスムーズです。ただし、日本では手配が難しいので、現地で手続きが必要になります。
アルメニアについて少しわかったら次はアルメニアンダンスについて紹介します。ダンスの基本姿勢はリラックスした状態でまっすぐに立ちます。手を肩の高さまで上げて自分の両側にいる人と小指を引っかけます。右足を前に踏み出して左足が右足を横切るように踏みます。少し足を上げて前に蹴りながら、左足のつま先を剥けます。この動作を両足で繰り返します。
日本国内ではアルメニアンダンスを習う機会や見る機会が少ないので、あまり身近なダンスではありません。基本的にアルメニアンダンスは集団で踊るため、もしアルメニアンダンスを踊りたい場合は仲間を見つける必要があります。また、アルメニアンダンスのテンポは最初ゆっくりですが、徐々に速くなります。アルメニアンダンスでもっとも人気がある「コチャリ」は必ず戦いの前に兵士たちによって踊られていました。コチャリではグループのメンバー全員が円になってお互いの肩に腕を回しながら一定方向に向かって移動します。基本的にはひたすら円になって移動しますが、時々、円を広げたり、狭くしたりする移動があります。
こちらの動画では、アルメニアンダンスグループの「BERT」によるダンスが見られます。グループにわかれたり、ソロで踊る男性が1人いたりとアルメニアンダンスの特徴が現れています。ぜひアルメニアンダンスを見てみてください。