子どもの頃にバレエを習ったことがある人なら理解が早いと思いますが、つま先立ちをしたり、ジャンプしたりすると痛みは付き物です。
舞台の上で優雅に踊っているバレリーナは、全体重が足の指に集中することによって生じる痛みを我慢しています。
バレリーナが履いているトゥシューズは、つま先部分が平らで硬く、他の靴とは違う構造でできています。つま先立ちができるのも、トゥシューズを履くことで実現ができる技です。
しかし、トゥシューズを履いていても痛みはあるので、皮がむけたり、たこができたりします。バレリーナたちは、足にテーピングを巻いたり、バンドを貼ったりすることが現実です。
バレエにおいて、体重をかけるのは親指、人差し指、中指の3本なので、小指に体重をかけすぎるとバランスが崩れてしまいます。
バレエの美しさに憧れて始める人も多いですが、そういったことも知っておくべきです。基本的には、正しい立ち方やレッスンを受けていれば、足や腰に負担をかけることはありません。
バレエでは、身体を上に引っ張り上げるようなイメージで、腰を上げています。もちろん腰を下げたまま、つま先に体重をかけると足に負担がかかります。
足が変形してしまう外反母趾になるといわれていますが、生まれ持った骨格や靴に関係があるので、バレエ経験がない人でもサイズの合わない靴を履き続けているとりスクが高まります。
トゥシューズのサイズにも注意しなければなりません。バレエの先生や専門店に確認してもらったり、シューフィッターにお願いする方法もあるので、活用してみましょう。
バレリーナには細くて長い足のイメージがあると思いますが、見た目以上にハードな踊りをしていても太くなりません。バレエの踊りはもちろん、身体の使い方に秘密があります。
バレリーナたちは足の筋肉を偏らないように使っているため、全体的に程よく引き締まり、細くなっています。逆に足が太くなるのは、足の使い方に問題があると思っていいでしょう。
また、バレリーナの足首は使用頻度が高い部分であるため、細いながらも非常に強いことでも知られています。ジャンプ、つま先立、回転などの動きを支えていることもあり、柔軟性も兼ね備えています。
さらに、足の甲を伸ばすために日々のストレッチで足の裏を鍛え、高いジャンプを可能にします。しかしながら、常につま先立ちをすることでメリットがあるのと同時にデメリットもあります。
次はなぜ、バレエでつま先立ちをするのか、つま先立ちをすることでどんな効果が得られるのかを説明していきます。
バレエといえば、つま先立ちで華麗に踊るイメージですが、そもそもなぜつま先立ちするのかをご存知でしょうか?
実際にやってみると足が痛くなるのに、バレリーナたちは長時間の舞台に耐えられるのかと思う人も多いと思います。
つま先立ちはバレエの作品に登場するフワフワ浮いた妖精を表現するために生み出されたのが始まりです。非日常的な夢のような世界を表現するために、主流の技として用いられています。
そのため、つま先を伸ばすというルールに基づき、ジャンプ直後であってもつま先を伸ばさなければなりません。
「つま先を伸ばす」とは、具体的にはどのような行為なのでしょうか?
通常、つま先立ちをすると必ず足指の第一関節や第二関節が折り曲がっている状態になりますが、バレエにおいてはNGです。
初心者の人がよく足指をグーの形に曲げることがありますが、足に負担をかけてしまう可能性が高いので気をつけましょう。
バレリーナの足指や柔軟性は、一般的な人よりも圧倒的な練習量で鍛えられています。トゥシューズでつま先立ちができるのも、ハードな練習を積み重ねたからこそできる上級者の技です。
足指に全体重を乗せていても、強く伸ばそうとして立つのが、つま先立の基本となります。
余談ですが、バレリーナは体重管理も徹底されており、普段の食生活もストイックです。余計に体重が増えないように健康的な食事を心がけることもプロのバレリーナに必要な習慣です。
すべては、つま先立ちのためといっても過言ではありません。
痛そうに見えるつま先立ちですが、実はバレリーナの体型と関係があります。つま先立ちには、インナーマッスルを鍛える効果があるといわれています。
つまり、身体を支える体幹が鍛えられるので、片足でつま先立ちを行ってもバランスを維持できるくらいの強さがあります。
日常的につま先立ちをしない人が、いきなりつま先立ちをするとふらつくと思います。ある程度、体幹が鍛えられるようなスポーツをやっている人であれば、安定はすると思いますが、ほとんどの人はバランスが崩れます。
インナーマッスルが鍛えられると、脂肪燃焼にも繋がるため、いつまで経っても体型がキープできるのもバレリーナならではのことです。
つま先立ちといっても、1つだけでなく、両足や片足で立つ技があります。
ルルべと呼ばれる足指の腹で床を押すようにかかとを上げる技と、バレエの舞台で見られるようなつま先立ちを行うポワントがあります。ルルべは、初心者向けの技で、5本の指に体重が均等になるように身体を引き上げます。
一方で、トゥシューズの先端が平らな部分でつま先立ちを行うポワントでは、足全体の筋肉を鍛えておかなければ、体重を支えることすらできないといわれています。
トゥシューズは上級者でないと、履けない靴です。つま先立ちは日常生活で歩いたり、走ったりするといった動きでは使わない筋肉を使うため、最初のうちは筋肉痛で苦しむことも。
トレーニング後は、ストレッチを行い、筋肉をほぐすことが必要です。
バレリーナには足の痛みは付き物なので、怪我をするリスクもあります。しかし、足の使い方が間違っている場合に怪我がしやすい傾向にあるので、基本的にはありません。
つま先の爪は全体重を支えているため、変形したり、割れたりすることも当たり前です。巻き爪になることも多いため、爪やすりを使って長さを調節することが一般的です。
また、皮膚がボロボロになって、血がでたり、水膨れもできます。足が鍛えられる代償に、こういった怪我もあるので、常に足のケアは欠かせません。
幼少期にバレエをしていると、子どもの足の骨が柔らかいため、変形しやすい状態といわれています。その時期にトゥシューズの正しい履き方を知らずに練習すると、変形を加速させる原因になることも。
海外では12歳までトゥシューズを履かせずに、足の強化に取り組むことが多いため、足の変形を防ぐことができるようです。
小さい頃からハードな練習すると外反母趾が残ったまま、成長するので十分に気をつけなければなりません。
バレリーナが履いているトゥシューズは、18世紀に生まれたといわれています。女性ダンサーがつま先立ちで、床から足が浮き上がって見えるような軽やかで幻想的な動きを作るために開発されました。
当初のトゥシューズはしっかりとした作りではなかったため、バレリーナたちは現代よりも相当な努力を強いられていたようです。
つま先立ちが生まれた当初は、時々つま先立ちをするくらいの技だったので、今ほど頻繁ではありませんでした。トゥシューズが登場するまでは、ワイヤーで宙づりにすることもあったようです。
つま先立ちとトゥシューズは同時に進化し、現在のトゥシューズが生まれました。トゥシューズを履くときには、足の痛みを軽減させるために敷きパッドを使うバレリーナが多いようです。
次はトゥシューズの正しい履き方について紹介していきます。
トゥシューズの正しい履き方を知っているのと知らないのとでは、足の負担に差が出るので覚えておきましょう。
トゥシューズの履き方は、以下の順番です。
トゥシューズを履くときに、まずは足の先端部分にトゥパッドを入れます。トゥパッドを装着することで、外反母趾の防止や親指への負担を和らげます。
最近のトゥパッドにはジェル状のものが多いのでおすすめです。トゥシューズの先端は非常に硬いので、何も敷かずに履くと痛みが大きくなります。
トゥシューズの替え時は、立ったときにつま先が床に当たっていたり、湿気を吸うことで潰れやすくなるため、使用後は乾燥剤を入れたり、陰干しすることが大切です。
ここまで、バレエにおける足の使い方とトゥシューズの履き方について説明しましたが、イメージがしやすいように動画で紹介していきます。
実際のトゥシューズの仕組みや、バレエの舞台公演を見てみましょう。
トゥシューズのことをあまり知らないという人も、この機会に知っておきましょう。
トゥシューズの先端は先述したとおり、硬く作られています。新品のトゥシューズであれば、叩いたときに大きい音が出るので、買い替えのタイミングを見るときのポイントになります。
トゥシューズを選ぶときは、足の先端にトゥパッドを入れるために、実際の足のサイズよりも0.5~1cm大きいものがおすすめです。
トゥパッドなしでは、痛みが生じたり、爪が割れるリスクがあるので、必ずセットで用意しましょう。
最近、ウクライナとロシアとの戦争が始まり、首都のキーウ(キエフ)が危機に陥っています。今回は、バレエの紹介とともにウクライナの魅力を伝えたいと思い、キーウで行われた「白鳥の湖」を見て頂きたいと思いました。
約2時間にも及ぶ公演ですが、ウクライナはバレエ大国の1つとして知られています。「白鳥の湖」は誰もが聞いたことのある曲なので、馴染みがあると思います。
また、ウクライナは世界一のバレリーナの出身国でもあり、バレエ文化が発展している美しいキーウの街が危機的状況にあります。
今までウクライナのことを知らなかったという人も多いかと思います。この動画をきっかけに、バレエのことはもちろん、ウクライナのことも知っていただければ嬉しいです。
本記事では、バレリーナの足はどうなっているのかという疑問について紹介しました。
バレリーナが履いているトゥシューズの構造や正しい履き方を理解することで、足への負担を減らすことができるので、試してみてください。
今までバレエのことを知らなかった人も、バレリーナの努力を知ることができたかと思います。
何歳からでもバレエは始められるので、これからバレリーナを目指す人は自分の足を大切にするように心がけましょう。
ずっとバレエを続けるだけでなく、バレエの経験を活かして他のダンスにも役立つので、ダンスの入り口としてはおすすめです。
また、毎日ニュースで流れているウクライナはバレエ大国でもあるので、少し紹介させて頂きましたが、今後も引き継がれるべき文化であることは間違いありません。
1日でも早く平和になるように願うばかりです。