ベリーダンスといえば、きらびやかな女性たちがくびれのあるお腹を出して踊るダンスというイメージがあるでしょう。
ベリーダンスは別名「オリエンタルダンス」とも呼ばれており、英語ではお腹の踊りという意味で使われているようです。ちなみにアラブ諸国では「ラクスシャルキ」と呼ばれています。
アラブでは東洋の踊りという意味で、他の民族舞踊も含まれており、地方によってはコミカルで激しかったり、ドラマチックな踊りといった自由な表現ができる世界があります。
ベリーダンスはもともと古代エジプトが発祥の世界最古の踊りとして知られていますが、起源は未だに明らかになっていないミステリアスなダンスです。
当時のエジプトでは、子孫繁栄と作物が豊かに実ることを願い、女性のためのダンスが現代のベリーダンスに繋がっているともいわれています。
王族のために踊る姿が描かれた壁画が残っていることから、王室のエンターテインメントとして発展したという説が主流です。
古代のロマンを感じるダンスとしても意外とファンが多いことで人気です。
私たちが住む日本にも夏祭りの風物詩である盆踊りといった伝統的な民族舞踊があるように、アラブの国にも農民や漁師の踊りなどさまざまなスタイルのダンスと音楽が存在しています。
ベリーダンスのショーでも伝統的な民族舞踊が踊られることがあります。先ほども述べたとおり、ベリーダンスの起源はエジプトという説が強い一方で、意外とアメリカでも盛んです。
アメリカではジャズやヒップホップなどのストリートダンス文化が発展した頃に、それらのスタイルを融合させたベリーダンスも発展しています。
日本では、21世紀に入ってから流行し始めたことから、現在でも人気の習い事として知られています。
最近では、ベリーダンスの人口増加で、世界中で活躍するダンサーたちが日本に来ることが多くなり、都市でもダンスフェスティバルが開催されるようになりました。
また、韓国や中国などのアジア圏でもベリーダンス大国として仲間入りしているようです。
今回は、各国のベリーダンスの特徴について紹介していきます。
ベリーダンスの発祥地ともいわれているエジプトでは、エジプシャンスタイルと呼ばれる踊りとして知られています。
手先や腰、足など細かい動きが多く、上下に大きく動いたり、ダンサーが身に付けているベールを激しく振るといった動きはほとんどありません。
エジプシャンスタイルでは動きだけでなく、顔の表情で世界観を表現することも特徴の1つです。使用される音楽は、打楽器をメインに大音量の生演奏が好まれる傾向があります。
歴史を感じるミステリアスな国だからこその特徴が、ベリーダンスにロマンを感じる瞬間でもあります。
トルコはベリーダンスの本場として有名で、プロのダンサーたちの聖地とも呼ばれています。トルコにはジプシーと呼ばれる民族が住んでおり、彼らは音楽とダンスが得意な存在です。
ベリーダンスでもジプシーの音楽が使用されており、具体的にはバイオリンやサックス、太鼓などの楽器でエスニック風の陽気な旋律を奏でます。
ジプシーの人たちは幼少期から当たり前のように独自の音楽に触れていることから、子どもでもプロ並みの奏者が多く、テレビ用のオーケストラも組まれていたりします。
トルコではベリーダンスのことを「ギョベッキダンス」とも呼ばれており、お腹のダンスと訳されます。トルコ人はどの世代の男女も踊ることが好きな民族なので、音楽があれば踊るような人たちです。
日本でも、トルコ料理のレストランでベリーダンスのショーを行っているところがあるので、機会があればぜひ行ってみてください。
アメリカではシカゴで開催された万博の公演がきっかけで、ベリーダンスという名前が広がったとされています。しかし、当時のアメリカ人はキリスト教の信者が多いことから、ベリーダンスを受け入れられなかったようです。
素早い腰を振る動きやコルセットを着用しないダンスは衝撃的だったため、悪評が絶えなかったといわれています。
意外なことにアメリカでは1960年代から中東のイランやトルコなどから移民してきたダンサーやミュージシャンも存在していたので、彼らが中心になってアメリカでは爆発的な人気を博しました。
さらに、ジャズやヒップホップなどのダンスを融合させた「トライバルフュージョン」を生み出したことでも盛んです。
現在の日本におけるベリーダンスの人口は10万人を超えるともいわれているほど、人気を集めているダンスです。
ベリーダンスが日本で定着するまではスペインのフラメンコやハワイのフラダンスが主流でしたが、ベリーダンスが入ってきてからは習い事として始める人が増加していきました。
最近では、東京を始めとする地方都市でも大きなダンスショーが開催されていることから今後もベリーダンスに注目が集められるでしょう。
日本では、中東の料理店でもベリーダンスショーを開催しているところがあるので、料理を楽しみながら目の前でダンスを披露してもらえるので、興味のある人は行ってみてください。
世界中でも人気のベリーダンスですが、身近で踊る人がいないという人にとっては馴染みがないかもしれません。
しかし、実際にベリーダンスを踊る人には向き不向きもあるとされています。ダンス自体、人前で踊るのが恥ずかしいと思う人も日本では多いでしょう。
次はベリーダンスに向いている人について紹介していきます。
ベリーダンスだけにいえることではありませんが、ダンス全般において自己表現に抵抗がない人は前提として向き不向きを決める要素でしょう。
特に、ベリーダンスにおいては露出が比較的多い衣装で踊ることから恥ずかしさを感じる人も多いですが、意外とダンスを踊っているときは気にしないものです。
さらに、女性らしさを表現することが求められるので、しなやかさや柔らかさを表現することが多くなります。
男性社会のなかで生きている女性にとっては、なかなか難しいと感じることもありますが、ベリーダンスで女性らしさを開放するために踊ることでハマる人もいるようです。
ベリーダンスはボディラインを鍛えたいという理由で始める女性も多いダンスで、ダイエットにも効果があるといわれています。
瘦せすぎず、筋肉質すぎないほどのインナーマッスルが適度についた女性らしい体型を作るのに適しているようです。
インナーマッスルが付くことで、女性本来の悩みである冷え性やむくみが改善され、太りにくい体質に変化していきます。
海外では、ふくよかな体型をしている人もベリーダンスを踊りますが、メリハリのある体型が良いとされているので、日本人とは少し異なる価値観になります。
ベリーダンスでは、普段使わない筋肉を多く使うため、特に腰回りに筋肉が付くことから女性にとっては嬉しいくびれが出来て来るのでやりがいを感じられるでしょう。
お腹のダンスということだけあって、ふくよかな体型であってもくびれを付けることがポイントになります。
基本的にダンスが上手く踊れるようになるまでは多くの時間が必要です。
つまり、継続できる人がプロのダンサーに近づけるので、諦めずに練習を続けることで、自分の実力や足りないところがわかるようになってきます。
ベリーダンスにおいては、女性らしさを表現するためにはやはり最初から出来る人は圧倒的に少ないので、それなりに練習が必要になります。
ベリーダンスでは笑顔で踊ることが多いので、振り付けで精一杯のときは特に無理な笑顔を作ってしまいがちですが、慣れてくると自然な笑顔になってきます。
いつの間にか日々のストレス解消のために踊れるようになるので、上達するまでは継続が一番です。
ベリーダンスは女性のためのダンスと思いがちですが、最近では男性も踊るようになったことで、男女平等のダンスとして広まっています。
男性が踊る場合も基本的な動きは一緒で、スカートも着用することもありますが、必ずしも女性のダンスを男性が踊っているということを意味しないようです。
男性のベリーダンサーは、男性らしさを感じさせる不思議な世界観を表現しています。
こちらの動画では、男性版のベリーダンスが披露されているので、ぜひ見てみてください。
ここまでベリーダンスについて紹介してきましたが、実際にどんなダンスなのか見てみないとイメージがつかないと思うので、動画で見てみましょう。
こちらの動画では、女性がベリーダンスを披露していますが、それぞれ決まった動きをしています。
ご覧のとおり、ベリーダンスでは胸、肩、腰などの部位をそれぞれ独立させて動かすことが特徴です。一見、自由に踊っているように見えますが、基本動作に従っています。
ヒップサークルと呼ばれる動きは、ベリーダンスのなかでも多く使われており、腰を大きな円を描くように動かします。足を肩幅くらいまで開き、体重移動で腰を動かすことがポイントです。
ヒップドロップは、腰を強く振る動きで、かなり腰の筋肉を使います。最初は筋肉痛になるかもしれませんが、継続することでくびれが出来るようになるので、諦めずに動かしてみましょう。
ポイントは前方に腰を持ち上げ、後方に下す動きに勢いをつけて繰り返すことです。
スネイクアームでは名前のとおり、腕をヘビのようにくねらせることがポイントです。
腕だけでなく、手首やひじ、肩などの関節を順番になめらかな線を描くようなイメージで動かしていきます。
両腕を交互に動かすことで、女性らしいしなやかさが強調されます。
チェストサークルは、腰で円を描くヒップサークルと同様に胸で円を描く動作を行います。頭や腰は固定した状態で、胸だけを動かすことがポイントです。
ヒップサークルと組み合わせることでベリーダンスの表現が広くなります。
ベリーダンスでは強弱をつけた動きによって運動量が多いため、脂肪燃焼効果が高いダンスですが、効率よく脂肪燃焼させるためには正しい姿勢を保つことも重要です。
綺麗な姿勢でお腹まわりや下半身を細かく動かすので、インナーマッスルを刺激することでくびれが出来るようになり、美しいボディラインを作ることができます。
骨盤からしっかりと立てるので、猫背改善にも効果的です。普段から勉強や事務作業でデスクワークしている人にとっては、ベリーダンスが有効でしょう。
ここまで紹介してきた基本動作を頭に入れたら、実際のベリーダンスの大会で踊られたダンスを見てみましょう。
よく見てみると、腰を器用に動かしたり、胸で円を描いたりしていることがわかります。
全体的に女性らしさを表現されていて、ダンサーたちも笑顔をキープしているので、見ている側も楽しくなるダンスです。
今回はベリーダンスについて紹介してきましたが、女性にとっては嬉しい効果があることがわかりました。また、世界中でも人気のダンスで国によって特徴も異なります。
どのダンスも継続できる人が上手くなるのは間違いありません。プロになれる人も諦めずに継続したからプロとして認められるようになります。
もし、少しでもベリーダンスに興味を持ったら、まずは実際に生で見ることがおすすめです。
動画よりもベリーダンスの魅力を発見できるかもしれません。