超高速のステップともいわれている「シカゴフットワーク」。比較的に新しいストリートダンスの1つとして知られています。
ハウスダンスのように足のステップがメインですが、BPM160とアップテンポの曲に合わせて踊るため、シカゴフットワークで流される曲はテンポが速い曲と知られているハウスミュージック以上に速い音楽です。
ある程度、熟練したダンサーでもシカゴフットワークの高速ステップに追いつけないこともあります。見る側からすると、足が絡まりそうですよね。
日本では、実際にシカゴフットワークのレッスンが行われているダンススクールもごくわずかで、まだまだ少数派のダンスになります。
しかし、少数派のダンスだからこそ、希少価値が高い見方もできるので、誇りを持ってもいいかもしれません。
そもそもシカゴフットワークは、1990年代のアメリカ・シカゴから発祥してから現在では海外を中心に発展し続けており、これから日本でも浸透されていくでしょう。
最近のダンスジャンルのなかでも、シカゴフットワークはハウスダンスのように音楽とダンスが相互に影響しあいながら発展を続けていることは珍しいようです。
シカゴフットワークの音楽は、ヒップホップを始め、テクノやベースミュージックの要素を取り入れながら発展しました。
現在のシカゴフットワークの最前線で活躍するダンサーのなかには、ハウスミュージックのサブジャンルにあたる「ゲットーハウス」と呼ばれる音楽制作から、段階的にキャリアを積み上げているようです。
シカゴフットワークの音楽は、多彩な構造を持つ曲構成であり、曲ごとのリズムは一定ではないため、さまざまな要素が積み込まれています。
近年では、オリジナルのシカゴフットワークから拡張した新しいジャンルが生まれており、「バイレフットワーク」や「ブレイクコア」と呼ばれる音楽が代表例です。
実際のシカゴフットワークでは、ほとんどの場合、チームに分かれて足技のスキルを競い合います。本場のシカゴでは、公民館やストリートでバトルが繰り広げられているようです。
また、クラブのなかで人の輪を作り、そのなかにダンサーが飛び込み参加でダンスを披露することもあります。仲間やコミュニティ作りの手段の1つとして、シカゴフットワークが活用されているようです。
シカゴフットワークは1990年代のアメリカ・シカゴで誕生したダンスです。2010年代にイギリスから日本を通じてクラブミュージックの場面でも浸透が進み、世界中で広まりつつあります。
実はシカゴフットワークには、30年という長い歴史があり、本来はジューク、フットワークというダンスミュージックに合わせて踊るジャンルです。
原点はシカゴハウスまでにさかのぼります。
シカゴハウスはその名のとおり、シカゴで生まれたアメリカの初期音楽で、ハウスミュージックやテクノの発展に影響を与えた音楽です。アメリカの都市マイアミが発祥の「マイアミ・ベース」と混ざり合い、現代のシカゴフットワークの下地となる「ゲットーハウス」に進化していきます。
時代の変化と共に、テンポの速さが高速化するようになったため、BPM160の音楽に発展したことがはじまりです。
BPM120でも、テンポが速い音楽のカテゴリーに入りますが、BPM160の世界になると次元が違うような感覚になります。
シカゴハウスを原点に、多様な音楽と共通することが見いだされたことで、日本やヨーロッパ方面でも人気が伝わりました。
実際にシカゴフットワークの音楽を聴いてみると、かなり速いテンポなので、最初は身体が追いつけるテンポに調整しながら、真似してみましょう。
シカゴフットワークは、EXILEのダンスにも要素が取り入れられており、最近ではGENERATIONS from EXILE TRIBEの小森隼もこちらの動画で披露されています。
ダンサーの小森準は、シカゴフットワークチーム「Creation」に所属していることから、現在の日本において数少ないシカゴフットワークダンサーです。
日本において、シカゴフットワークはまだまだ新しいジャンルですが、人気アーティストが披露することで、注目度が年々増加しています。
シカゴフットワークの日本人モデルとして、参考にしてみるといいかもしれません。日本でもダンス大会が開催されているので、出場する機会があれば、参加してみるといいでしょう。
こちらの動画でも、非常に速いテンポの音楽に合わせており、見事なステップです。軽々とステップを踏んでいますが、実際にやってみると足の筋力がかなり必要だと思いました。
足のステップや上半身の動きに無駄がないので、相当な体幹が鍛えられていることがわかります。ちらのシカゴフットワークは、未経験者の人が一から学ぶスクールがわずかしかありません。
ある程度、ストリートダンスを熟練しているダンサーがであれば、一定期間の練習で習得が早いでしょう。また、イベントやSNSを通じてシカゴフットワークを教えてもらう手段もあるので、興味のある人は探すことがおすすめです。
シカゴフットワークには、以下のような種類があります。
それぞれ紹介していきます。
こちらのアーク・アンド・ジャークは、足を左右に蹴りだす動きが特徴のステップです。シカゴフットワークの代表的なステップの1つとして、先にイメージすることが多いでしょう。
イメージとしては、自分のなかでリズムをカウントしながら、テンポに合わせる動きです。そして、上半身の軸をまっすぐに保つことがポイントで、下半身の動きを安定させるためにぶれないようにします。
何となくできそうな気がしませんか?最初は何となくでもいいので、真似するところから始めることが上達の一歩です。
左右に足を蹴りだすような動きが特徴的なステップです。動きがダイナミックで印象的なので、代表的なステップとして真っ先に思い浮かぶものかもしれません。
ドリブルでは、足を前後に動かすことが特徴です。よくありがちなのが、ドリブルの際に膝を伸ばしたまま、動かしてしまうことがあります。
膝を伸ばした状態では、膝に負担がかかり、足の疲労が早くなりがちです。最初のうちは、筋肉痛が激しくなることが多いので、しっかり足を休ませることも意識しておきましょう。
ステップを踏むときは膝を90度近くまで曲げ、止めるときは膝を軽く曲げながら伸ばします。
そのなかで地面に片方の足をつけるときに、つま先を上げることがポイントです。つまり、かかとを地面につけます。
最初は速さについていくだけでも大変ですが、音楽のリズムをよく聞きながら足だけを動かしながら、徐々に速さに慣れていきましょう。
ランニングマンといえば、ヒップホップダンスにも同じステップがありますが、シカゴフットワークでは少し異なります。
前後に足を開きながら、素早く動かすことが特徴です。ドリブルに似たようなステップになります。
ドリブルである程度、ステップが踏めるのであれば、ランニングマンの習得も早いでしょう。動画では、ランニングマンを踏み続けるなかで、身体ごと方向転換もしています。
身体の軸を保つことを意識すると、方向転換しても形が崩れにくい体勢で継続が可能です。
ランニングマンでも、膝を曲げるときはしっかり曲げて、着足するときは、かかとを意識することがポイントです。
上半身は走っているときの腕の動きに合わせると、イメージがつかみやすくなります。
ランニングマン・サイドは、左右に素早いステップを踏む足技です。前後にステップを踏むドリブルやランニングマンとは感覚が異なると思います。
上半身の動きが一定せずに、形が崩れてしまうことも多いようです。まず、身体ごと飛ぶ動きになるので、高く飛んでしまうと、BPM160のテンポに追いつけなくなります。
そうなると、テンポを取り戻すまでに一苦労することもあるようです。
形が崩れてしまうと、頭の位置や腕、肩が下がりすぎているなど、足技は何とかできても上半身に意識がなければバランスが悪く見えてしまいます。
ポイントは、一定のリズムの最後に地面に足を着地する場面で、もう片方の足の後ろに着足することです。この繰り返しですが、前後のステップしか踏んだことがない人からすると、苦戦するかもしれません。
さらに高速でステップを続けるため、身体になじむまで練習が必要になります。あきらめずに練習を続けた人だけが、見える世界なので、もちろん挫折することもあるかもしれません。
そういったことを踏まえて、自分との戦いになることを覚えておきましょう。
こちらの動画では本場のアメリカ・シカゴで行われたダンスイベントで、シカゴフットワークが披露されています。ダンサーが順番に、見事な足技を競い合う流れです。
BPM160のテンポに合わせて、高速ステップを踏んでおり、見ているだけで本場のシカゴフットワークに圧倒されます。
練習を継続すれば、必ずできるダンスなので、モチベーションが保てない人も、まずはイベントに参加するという目標を持つと
本格的にシカゴフットワークを極めたい人は、現地で学ぶ方法も選択肢の1つとして入れてもいいでしょう。
ちなみにシカゴフットワークを踊るときの服装は、見てのとおり膝が曲げやすい服装がおすすめです。また、靴も履きなれたものがいいでしょう。
まだまだ日本人でシカゴフットワークができる人は世界的にも少数なので、挑戦してみる価値はあります。
本記事では、超高速ステップのシカゴフットワークについて紹介しました。
もともとヒップホップやクラブダンスを経験したことがある人にとっては、シカゴフットワークの要領がつかみやすく、入りが比較的に楽でしょう。
しかし、初心者のダンサーの人がいきなりシカゴフットワークを始めると、身体の使い方やステップの踏み方もよくわからない状態で身体への負担がかかることもあります。
今回紹介した基礎のステップをしっかり習得してから、いろんなダンサーの動きを見ることがおすすめです。
ダンサーによっては表現方法が異なるのと、自分の表現の幅を広げられるメリットもあります。そして、どのダンスにも共通していますが、自分のモデルとするダンサーの動きをよく研究することが大切です。
細かく見ることで、ヒントになる表現の発見ができるため、上達が早くなります。また、できるのであれば自分のダンスを動画で撮影しながら、振り返ることも必要です。
この機会にシカゴフットワークに挑戦してみましょう!