自分のダンスにもっと磨きをかけたいダンサーは少なくはないでしょう。ダンスにおいて表現力は欠かせません。
表現力が身につくと、自分らしさを表現できる喜びと観客にも感動を与えることにもつながります。しかし、表現力に欠けたダンスは面白味を感じない人もいるでしょう。
「どうやって表現力を身につけたらいいのか」と悩みますよね。ダンスの表現力を高めるために必要なポイントがあります。
以下の7つのポイントに注目してみましょう。
上記のポイントは表現力を高めるための基礎になります。これらの基礎がしっかりできていれば、多様な表現に応用が効くので、ぜひ試してみましょう。
それぞれ順番に解説していきます。
ダンスの表現力を高める前に、振り付けを覚えることが前提です。具体的には、曲を聴いただけで、身体が勝手に動いてしまう程のレベルが目安になります。
ダンスの表現力を鍛えるために、顔の表情や身体のパーツに意識を向ける練習も増えるので、振り付けに意識が向くと中途半端になることも。そうならないためにも、最初の基礎固めは重要です。
無意識にダンスができるなら、曲の細かい部分まで把握していることになるので、好きな部分に多少のアレンジを加えても問題はないでしょう。振り付けを完璧に覚えるまでは多くの時間が必要になりますが、あきらめずに練習するとあとが楽になります。
練習する中で、余裕ができたら少しずつ表現を取り入れてみましょう。
ダンスの表現において、曲の歌詞や雰囲気を研究してみると、表現のヒントが隠れていたりします。たとえば、歌詞の意味通りに振り付けで表現してみたり、明るい雰囲気の部分では元気よく踊る工夫もできますよね。
歌詞の背景を自分なり考えてみると、自分にしか思いつかないダンスのイメージが膨らんできます。具体的な振り付けが思いつかなければ、似たようなジャンルの曲で振り付けを研究してみるのもいいですね。
魅力的な表現ができるダンサーは、誰よりも曲について研究しており、自分のダンスについてよく理解しています。音楽においても、アーティストが感情をこめて歌ったり、楽器を演奏したりしますよね。
ダンスにおいては、音楽そのものを感情をこめて振り付けで再現するイメージです。表現力を高めるには、曲の歌詞の意味を知ることで表現の幅が広がります。
表現や自分らしさは、誰にも真似ができないものです。たとえ、ダンスの振り付けを一通り覚えたとしても、表現においては自分で工夫するしかありません。
最初は誰かの真似をしながら身につけるのがおすすめですが、それだけでは「自分らしさ」とはいえませんよね。ポイントは自分の中で表現のイメージを固めることです。
イメージを固めるなら、何度も曲を聴いて思い浮かぶことを身体で表現してみたり、他のダンサーの振りや表情にも注目してみましょう。「自分ならこの部分は〇〇する」と思ったら、もとの振り付けに構わず採用してみると、表現が思いつくかもしれません。
無理に複雑な表現にするよりも、自分の感情や身体能力に適した表現がおすすめです。
ダンスの表現といっても、必ずしも決まったものはないので、自分で考えることも必要です。いきなり自分らしさを表現することは難しいので、まずは他のダンサーの表現を観察することから始めてみましょう。
何度も観察しているうちに、気づくことも多いはず。観察するときのポイントは、自分にも真似できそうな表現を探してみることです。
観察したらすぐに真似する習慣をつけてみましょう。実際に自分にもできるかどうか試してみてから決めてもいいですね。
自分のダンスレベルより少し上の技になれていくと、表現力の向上にもつながります。自分には無理だと制限をかけてしまうと、いつまで経っても成長しないので、まずは失敗を恐れずにやってみましょう。
ダンスの種類や曲によっては表情の作り方は異なりますが、共通していえることは表情を意識しない魅力的なダンサーはいません。たとえば、テンションが上がる明るい曲で無表情だと「表現している」とは言い難いでしょう。
表現力といっても、はっきりと決まった形はないので、難しく感じることもあります。ダンスは演技の1つなので、常に表情を保たなければならない場面も。
とはいえ、気を抜くと表情に意識が向かなくなり、感情のないロボットのようになってしまいます。人間にしかない喜怒哀楽を顔や身体で表現することは難しいかもしれません。
しかし、本当はやりたくないという気持ちがあると、自分の感情を表情に出すことに抵抗を感じてしまうことも。もし、抵抗を感じたら「何のためにダンスするのか?」と自分に問いかけてみてください。
ダンスでは表情だけでなく、身体の細かいパーツにも意識することで、表現の幅が広がります。腕や脚・首・関節などの細かいパーツ。さらに目線・口も表現が可能です。
どれだけ表現にこだわりを持つかで、他のダンサーとの差が生まれます。最初から身体のパーツを意識しながらダンスするのは難しいので、パーツごとに分けて練習してみましょう。
常に姿勢を保ち、肩に力を入れすぎず、目線をずらさないように身体のパーツを意識できるようになるには、やはり日々の自己研究が欠かせません。1つの方法として、自分のダンスを録画して見返すと優先すべき改善点を見つけやすくなります。
表現力に磨きをかけるなら、手の指先まで意識するくらい自分なりのこだわりを持つことがポイントです。
心の底からダンスを楽しむ気持ちは、アマチュア・ベテランのダンサーすべてに共通して必要不可欠な要素。たとえ振り付けや表現が上手くなくても、ダンスは楽しんだ者勝ちです。
さらに、自分らしさの表現を追求したり、ダンスに磨きをかける原動力にも。また、ステージに立つ経験を増やすことで、心に余裕も少しずつ増えていきます。
どの場面においても、ダンスが好きで楽しいなら必ず成長します。ダンスに対する気持ちが表現力に直結することは間違いありません。
ダンスの表現力を魅せるためには努力はつきものです。しかし、「表現力を具体的に練習する方法がわからない」といったお悩みも。
なるべく限られた時間の中で、あれこれ手を出さずに効率的に表現力を身につけたいダンサーも多いはず。せっかくステージに立つなら、今まで以上に表現力を高めたいですよね。
具体例は以下の通りです。
上記の具体例は表現力を高めるための基本なので、今さらと思うかもしれませんが、意外と実践できていないことも。
これからダンス大会への出場を目指しているダンサーの方も、表現力の復習のつもりで参考にしてみてください。
だれかに言われた通りの表現しても、「自分らしさ」という意味では違いますよね。上手く表情が作れなかったり、表現力がないと悩むダンサーも多いでしょう。
しかし、自分が踊りたいように踊ることが表現力なので、正解がありません。だれかに評価されたり、表現力の良し悪しを決められることではないので、自信をもって自分の気持ちをさらけだす勇気も必要です。
また、感情を表に出すことに抵抗があるなら、少しずつ心のブロックを外してみましょう。心のブロックを外すためには、表現する自分のことを許し、ダンスに対する情熱を表に出す訓練がおすすめです。
何度も繰り返すことで、自信持ってダンス大会やステージの本番に挑みましょう。これらを乗り越えると、ダンスが今まで以上に楽しくなります。
ドラマや演劇の俳優が完全に台本の世界観に入り込み、役者になりきるのと同じように、プロのダンサーも曲の世界観に入り込んでいますよね。よく見ると、目や顔の表情までに魂を込めているかのように感じられるでしょう。
本当に存在する人物かのように魅せるには、テクニックよりも、どれだけ曲の世界観について理解を深めているかどうかがポイント。
ダンスの上手い人は、顔の表情から指先まで全神経に意識が通っているため、最後まで気を抜かずに踊り切ります。曲の世界観に入り込むためには、自分の中で曲の登場人物を作り、なりきることがおすすめです。
また、曲に込められた意味や、作曲者の想いについて知ることも表現のヒントになります。曲の歌詞の意味や雰囲気に合うようにセルフイメージを固めてみましょう。
イメージをダンスに表現するなら、だれから見てもわかるように動くことが必要です。実際のステージではダンサーから観客との間に距離があるので、動きがあまりにも小さすぎるとよく見えません。
人前でダンスを披露するときに緊張すると、どうしても振りが小さくなりがちで悩むダンサーも。しかし、小さく動いてしまってはせっかくのダンスがもったいないので、大きく動くことに意識を向けてみましょう。
たとえば、指先を空まで伸ばすイメージしながら腕を伸ばすと振りがキレイに見えたりします。ただ、全身で大きく動くとそれなりに体力も消耗してしまうので、練習では少しキツイと思うくらいまで負荷をかけながら身体を鍛えておきましょう。
ダンスにおいて、常に姿勢を保つことが重要です。猫背のように姿勢が悪いまま踊るダンサーを見たことはあるでしょうか。
姿勢が悪いと振り付けがキレイに見えないのはもちろん、身体が疲れやすくなります。猫背の癖がある人は、ダンスすると全身に力が入りにくく、ダラダラ踊っているように見えてしまうことも。
正しい姿勢になれると無駄に体力を消耗しないのと、血液の循環が良くなり脂肪燃焼効果も発揮します。
正しい姿勢とは、頭の上から糸で吊り下げられているイメージで、思いっきり両手を頭の上まで伸ばして背伸びしたあとに両手を下げたときの姿勢です。簡単にできるのでダンス前のウォーミングアップで試してみてください。
ダンスや音楽など芸術における表現力は、豊かな感性や人生経験によって培われるものです。まだ年齢が若くても、数多くの芸術作品に触れていくうちに感性が身についてきます。
自分のダンスを見る人に感動を与えるためには、魅せ方を工夫するといいでしょう。表現力はイメージの世界なので、難しく感じるかもしれませんが、魅せ方を変えることは可能です。
ダンスの表現力を魅せるために、以下のトレーニングを行いましょう。
それぞれ解説動画があるので、順番に紹介していきます。
具体的に「どのように身体を動かしたらいいのかわからない」という人も参考にしてみてください。
今回はこちらのヒップホップダンスを参考に紹介していきます。中級レベルの動画なので、ある程度ダンス経験がある人が対象ですが、ダンサーの振り付けをよく観察してみましょう。
まず、振り付けの強弱に意識を集中させることで、メリハリのついたダンスになります。強弱をつけるためには、全身に力を込めるだけでなく、部分的に力を抜くことも必要です。
全身に力が入りすぎると、強弱が薄い振り付けになるのと、余分な体力を消耗してしまいます。また、止めるべきポイントで止められていない場合も、メリハリがつきにくいので止めることを意識してみましょう。
全身を使って振りを大きくしても、へなへなダンスに見えてしまうことで悩むダンサーも。インナーマッスルを意識しながら振り付けすると、自然に鍛えられていくので、試してみるといいですね。
ダンスするときに、常に前の鏡を見ながら練習するので、どうしても目線が真正面になりがちなダンサーも多いでしょう。目線が正面だと、せっかく振り付けができても平面なダンスになってしまい、ただ踊っているだけのように見えてしまうことも。
こちらの動画では、目線の外し方について解説しています。ダンスが上手い人には独特な雰囲気がありますよね。
その大半は目線で雰囲気を感じている場合が多いので、目線を外すポイントを知っておくと自分にしか出せない雰囲気ができます。たとえば、動画内でも紹介していますが、振り付けで右にダウンするときに目線を右下にするとどうでしょうか。
あえて身体を向ける方向に目線も一緒に動かすと、かっこよく見えますよね。だからといって、目線を正面に向けてはいけないことはありません。
振り付けのタイミングに合わせて目線を意識すると、より魅力的に見えるので、上手く魅せるコツの1つとして参考にしてみてください。
振り付けの強弱と目線の意識を取り入れることで、雰囲気が出来上がります。こちらの動画でも、なめらかな動きなのに、止めるところは止めており、目線も振り付けの方向に外していますよね。
もちろん、毎日の練習を重ねたうえで、振り付けを完璧に覚えてから少しずつ自分のアレンジを加えていきます。振り付けができても、実際に踊ると目線が正面になりがちで、強弱に欠ける振りになってしまうのはもったいないです。
ダンスで上手く雰囲気を出せる人は、ステップや身体のパーツを意識するなどダンスの基礎を圧倒的な数をこなしています。身体的・精神的に余裕があるからこそ、振りの強弱や目線に意識を向けることが容易いのです。
自分にしか出せない雰囲気は、だれかの心を動かす力があります。それは努力や経験でにじみ出る雰囲気なので、日々の練習で鍛えていきましょう。
今回はダンスの表現力の魅せ方について紹介してきましたが、ありのままの自分を表現することで人間味のあるダンスができます。魅せるテクニックを取り入れつつ、だれよりもダンスを楽しむことが表現力を高めるコツです。
ダンスの表現力を高めるポイントをおさらいすると
これらは表現力の基礎なので、すでにポイントをおさえているなら次のステップに進んでみましょう。表現力は自分という人間を知ってもらうための手段ともいえます。
今回紹介した振り付けの強弱や目線も意識すると格段にレベルアップするので、この機会に実践してみてください。