フォークダンスは、大昔の人々が動物狩りの収穫を祝うダンスだったといわれており、みんなで踊ることで連帯感を得ていたようです。
基本的に1人で踊ることはなく、みんなで踊ることに意味を見出すダンスなので、年齢関係なく誰でも踊れるという特徴をもちます。
知らない人同士でも手を取り合ってフォークダンスを楽しむことで、仲良くなれるといったメリットがあり、いつの間にか友達が増えていく効果もあるようです。
現代では、日本でも小学校・中学校の必修科目に取り入れられており、子どもたちの表現の機会が増えています。
フォークダンスといっても、世界中にあふれているため、知らない国のダンスも多いかと思います。
主流のバレエやヒップホップダンスなどとは違うジャンルなので、フォークダンスが生まれた国の文化も同時に知ることで、視野が広くなります。
ほとんどの場合、ペアを組んで円形になることが多く、振り付けも簡単なので、初心者の人でも始められるダンスです。
今回は、各国のフォークダンスを集めましたので、以下の順番に紹介していきます。
フォークダンスの定番のマイム・マイムは、水を採掘したときの喜びを表現するダンスです。
「マイム」はヘブライ語で「水」を意味します。マイム・マイムの発祥の地イスラエルは、ほとんど砂漠に覆われた国で、水は貴重な存在として扱われています。
踊り方は内側に向かって円になり、隣同士で両手をつなぎながら時計周りに移動したり、中心に集合を繰り返します。
途中で全員同じステップと手拍子を行い、曲が終わるまで同じ動きを行います。
比較的簡単なフォークダンスなので、ある程度練習すれば覚えられます。
コロブチカは、第一世界大戦後にアメリカに移民してきたロシア人たちによって踊られたフォークダンスです。
もともとはさまざまなスタイルがあるようですが、楽しむことを目的としていたため、広がるにつれて単純化したといわれています。
基本的にはペアを組んで、それぞれのペアが円を描くように配置しながら踊ります。
ダブル・サークルと呼ばれる配置方法で、男性を内側、女性を外側に置きます。
曲が終わるまで、同じペアで踊り続けることが特徴です。
『タタロチカ』は、タタール人のフォークダンスだといわれます。腕を伸ばして、手首から外側に折るのがタタールの特徴です。
タタロチカは、トルコ系の民族のタタール人のフォークダンスといわれています。
内側に向かって円を作り、腕を上下に伸ばして、膝を使った動きが特徴です。
一定のステップと振り付けの合間に時計回り・反時計回りを行うため、混乱しないように注意しましょう。
オクラホマ・ミクサーは、アメリカのフォークダンスとして知られており、もともとは「ショティッシュ」と呼ばれるジャンルのダンスです。
時代が進むにつれて、日本人向けに修正されて、現代のスタイルに変化したとされています。
オリジナルの「ショティッシュ」とは、ヨーロッパやアメリカなどで普及している国際的なダンスを指します。
オクラホマ・ミクサーは、基本的にペアを組んで3歩進んでホップするステップが特徴です。
タンゴは、現代ではアルゼンチンの首都ブエノスアイレスを中心に踊られているダンスで、もともとはアフリカの黒人たちの踊りが起源です。
タンゴ・ミクサーでは、中心に向かってダンサーを円状に配置し、男性が内側、女性が内側に置きます。
最初に男女ペアで組んで、ゆっくりのテンポで動き、途中で他の異性とペアを組みなおします。
広く知られている情熱的なタンゴとは異なり、タンゴ・ミクサーには激しい動きがありません。
オスロー・ワルツでは、古いノルウェー民謡で踊るため、ノルウェーの首都である「オスロ」をもとに名付けられたワルツです。
ヨーロッパではよく見られるファミリー・ワルツと呼ばれるフォークダンスで、ダンスパーティーでは締めの曲として踊られています。
別れの曲として哀愁が漂うようなしっとりとした世界観に合わせて、男女ペアで踊り、隣同士で両手をつなぎながら踊ることが特徴です。
イベントのラストダンスの場合は、「さようなら」「おやすみなさい」と挨拶を交わすことがあります。
キンダー・ポルカは、ドイツの子供向けのフォークダンスとして知られており、文字のとおり、「キンダー(子ども」のポルカです。
童謡の「手をたたきましょう」と関係性があり、基本的に男女ペアで踊ります。
ポルカと呼ばれていますが、複数の男女ペアがパートナーを交代しながら踊る「ミクサー」の一種なので、一般的なポルカ・ステップのような難しい要素はありません。
パートナー同士が向かい合って、両手をタッチしたり、足踏みなど子どもだけでなく、大人も楽しめるフォークダンスです。
ハーモニカと呼ばれるフォークダンスは、もともとはイスラエルが発祥で、リズミカルで楽しいダンスです。
また、別名で「ヘイ!ハーモニカ」とも呼ばれており、ダンスの途中で「ヘイ!」と掛け声したり、肩組みして移動することが特徴です。
ちなみに。ハーモニカはイスラエルではガラスや金属を叩き鳴らす原始的な楽器のことを指します。
曲が終わるまで、動きを止めることがないので、掛け声を意識してリズミカルに踊ることがポイントです。
ドードレブスカ・ポルカは、日本では童謡の「山のポルカ」が有名で、陽気なメロディーに乗せて楽しく踊るチェコのフォークダンスです。
基本的に男女ペアで踊り、かなりリズミカルに動くので、見る側も楽しくなります。
ドードレブスカ・ポルカの特徴は、男性が円の中心で円形を組み、手拍子を行うことです。
また、女性は外側でステップを行い、中心にいる男性を囲みながら移動します。
さらに、ペアの男性が他のペアの男性の肩に手を伸ばし、徐々に円を小さくしていきます。
かなり特徴的な動きが多いので、覚えやすいフォークダンスの1つです。
パティケーク・ポルカは、もともとはイギリスのフォークダンスで、パティケークは「饅頭のような小さなパイ」を指します。
発祥のイギリスでは、粘土を叩きながら固めるパイ遊びをしたり、大人が子どもの両手を握って手拍子させたりする動作をダンスのなかに取り入れたようです。
パティケーク・ポルカでは、男女ペアで組みながら、時計回りにスキップしながら移動します。
また、パートナー同士で向き合いながら片手、両手、膝を叩き合うことが特徴です。
エース・オブ・ダイヤモンドの発祥地であるデンマークでは、1年間のほとんどは寒さが厳しく、家に閉じこもる国民が多い国でもあります。
国民たちは健康維持のために運動量が多いフォークダンスを踊られているようです。
エース・オブ・ダイヤモンドはデンマークの農民の踊りで、円状に男女ペアで腕を組み合い、反時計回りに移動するダンスです。
日本でも戦前から知られており、日本人に親しまれています。軽快なリズムとステップで楽しく踊ることがポイントです。
グフタフス・スコールは、スウェーデンのグスタフ王を称えたフォークダンスで、「グスタフ王万歳」という意味になります。
男女ペアで踊りますが、他のペアが両手でアーチを作り、そのなかをくぐり抜けて他のパートナーと組みなおすといった流れになります。
前半では、王宮で踊るように華麗なダンスを意味し、後半では、農民の踊りを表現しているようです。
他のフォークダンスには見られないような動きが多いため、少し複雑に感じるかもしれませんが、振り付け自体は簡単です。
ソーラン節は日本でもっとも有名な民謡として知られており、小学校・中学校でも踊ったことがある人も多いのではないでしょうか。
「ソーラン」とは、北海道の民謡でニシン漁の漁師たちの掛け声で、網に入ったニシンを引き揚げるときに歌われた労働歌です。
夏祭りや盆踊りの定番で、学校でも「南中ソーラン」として踊られています。
序盤では、腰を低くして網を引き揚げるような動作を行い、サビ部分の中盤では左右に引っ張るような振り付けを行います。
動きが大きいため、エネルギーの消費量が多いダンスでもあります。
本記事では、各国のフォークダンスについて紹介しました。
フォークダンスは、みんなで踊ることで一体感が生まれ、知らない人同士の絆ができるといった楽しいダンスだと思います。
子どもだけでなく、大人でも楽しめるので、友達ができる平和的なエンターテインメントです。
この機会に、世界中のフォークダンスに触れてみてもいいかもしれません。