ハウスダンスは1970年代のアメリカで、「ハウスミュージック」と呼ばれるディスコ音楽と共に生まれました。由来はシカゴのクラブハウス・ウェアハウスですが、クラブ音楽という理由ではありません。
ニューヨークのダンサーたちがハウスミュージックに合わせて、ヒップホップ・ブレイキン・カポエイラなど、色んなジャンルを自由に踊っていました。また、ジャンルをミックスすることによって形成されていったダンスともいえます。
当時のウェアハウスはゲイが集まるクラブとして機能していたため、差別的な意味がありました。その後、アメリカからイギリスへハウスダンスが伝わり始めます。
ハウスダンスはストリートダンスの1つとして、1990年代以降のニュースクールのジャンルとして認知されるようになったので、比較的新しいダンスです。
ハウスミュージックの速いテンポに合わせて、音を取っていく素早いステップがハウスダンスの特徴になります。ハウスダンスの基本的なステップは、サルサやカポエイラ、バレエ、アフリカンなどがミックスされているので、難しく感じることもあるでしょう。
当時はハウスミュージックに合わせて踊れば、ロックダンスやポップダンスとも呼ばれていましたが、テンポの速い曲では足技がメインになります。足技が徐々に現在のハウスダンスに形成されたようです。そのため、曲のテンポをより細かく、自由に表現することが本質ともいえます。
ハウスダンスでは上半身を2ビートにキープしながら、足で4ビートを取るので、初心者の人にとっては難しいかもしれません。さらに、ハウスミュージックでは1分間のうちに120前後のリズムを刻むので、曲を聞き慣れておくことも大切です。
ハウスミュージックは1980年代のアメリカ・シカゴで誕生しました。ハウスダンスと共に発展を遂げていきます。1990年代には、ニューヨークで流行のクラブダンスとして知られるようになり、後に日本でも認知されるようになりました。
ハウスミュージックの特徴は、「4つ打ち」と呼ばれる1小節に4分音符で4つのキックが入る速いテンポの音楽です。基本的にリズムの繰り返しなので、音楽を聴く側にとって陶酔感を与えるでしょう。
ハウスミュージックはディスコやクラシックを基本に作曲されていますが、機械的なビートや既成音楽のフレーズを用いており、1つのジャンルとして独立しています。
ハウスミュージックが進化することで、ハウスダンスも新しいスタイルに変化していくため、最先端の流行に敏感なエンターテイメントです。
ハウスダンスは、ヒップホップなどと比較するとステップ数が多いので、それに合わせてハウスミュージックもテンポが速い曲となります。ヒップホップはスローテンポの曲が多い傾向です。
キレのあるハウスダンスにするためには、速いステップの足取りが重くならないように軽やかに動くことがポイントになります。どれだけハウスミュージックの特徴を知り尽くしているのかが重要です。
ハウスミュージックの由来となったのは、1977年にアメリカ・シカゴにオープンした「ウェアハウス」といわれています。1970年代末には、ニューヨークに「パラダイス・ガラージ」が誕生しました。
パラダイス・ガラージの伝説DJラリー・レヴァンは、「ニューヨークガラージュ」と呼ばれるハウス音楽の基本スタイルを生み出します。ニューヨークでは、ディスコ音楽にハウス音楽の要素を取り入れた「ニューヨークハウス」が発生しました。
そしてハウスダンスは1980年代にはじまり、日本では元ZOOのメンバーだったKOJIが所属していたROOTSにより、認知されるように。ハウスダンスは他のストリートダンスと比較すると、まだ歴史が浅いジャンルです。
ハウスダンスを極めたい人はハウスミュージックについて知る必要があります。4つ打ちのリズム・アップテンポ・メロディのループが魅力です。
ハウスミュージックでは、他のジャンルの音楽をミックスさせた独特の音楽だったこともあり、ゲイたちから人気を集めていました。地元のレコード店が「ハウスミュージック」として販売していたことから、名付けられたといわれています。
ハウスダンスとヒップホップは似ているように思われがちですが、音楽が異なります。ヒップホップはゆっくりで、ハウスダンスは速いテンポです。
ヒップホップではゆっくりめのテンポの曲なので、アップダウンの動きを大きく踊ると格好いいダンスになります。一方で、ハウスダンスでは、速いテンポと4つ打ちのリズムが特徴で、曲に合わせてステップを踏みながら、アクロバットの要素を取り入れるダンサーも多いようです。
ヒップホップは1970年代のアメリカにおけるディスコブームの最中に発生しました。サウスセントラルの貧困層だったアフリカ系アメリカ人がディスコの代わりに、公園でパーティをするように。
ターンテーブルを公園に持ち込み、街灯のコンセントを使いながらDJがレコードを回し、ディスコ・ソウル・ファンクをサンプリングと呼ばれる音楽を流すようになりました。既存の音楽から部分的に抜粋することで、上質な音楽に構成した独特な世界観に仕上げています。
その音楽に合わせて、ダンサーは踊り、MCはラップを披露を始めます。ヒップホップでは深くリズムを取り、ハウスダンスでは浅くリズムを取るようです。
リズムがゆっくりであれば、次のリズムが刻まれるまでの間が長いため、時間が余ってしまいます。リズムが速い場合でも、間に合わないので、どちらが適しているかの判断基準にもなるでしょう。
ヒップホップカルチャーは差別や偏見と闘うために生まれたものに対して、ハウスカルチャーは人種を超えたディスコカルチャーの延長ともいえます。ヒップホップカルチャーは、個人が現実と闘う手段になり、ダンスバトルが繰り広げられる文化です。
一方で、ハウスカルチャーはゲイを容認する世界観から生まれた文化であるため、多分野の音楽・ダンスからの影響が強くなりました。特に、ステップはサンバやサルサといったラテン系ダンスをもとにアレンジされています。
現代まで数十年の間にクラブで踊られてきたハウスダンスは、日本国内にも多く存在します。日本におけるハウスダンスの第一人者は、元ZOOメンバーのKOJIが所属していたROOTSです。
それからハウスダンスは、1999年頃からTOKYO TRIBE・SYMBOL-ISM・SODEEP・PYROなどが活動を始めました。なかでも、上半身でビート強く刻む「ジャッキングスタイル」がハウスダンスのシンボルとなります。
ハウスダンスは素早いステップが見せ所のダンスです。テンポの速い曲に合わせて軽やかに動くことがコツとなります。
ヒップホップ・ブレイキン・カポエイラなどのダンスをハウスミュージックに合わせて、自由なスタイルで踊るスタイルです。特にステップやフロアワークをメインとしています。
ハウスダンスでは、音楽そのものが身体をコントロールするダンスなので、スピリチュアルなダンスという見方も。
ステップの種類が多く、激しい動きがあるため、最初は身体がついていけるスピードから練習することがおすすめです。曲のほとんどが速いので、ステップを踏む足さばきが重要なポイントになります。
今回は、以下のステップを紹介します。
それぞれ動画を参考に真似してみましょう!
ハウスダンスの基本ステップである2ステップでは、右足を一歩外に出し、左足を少し後ろに下げた後に、右足を左足の前でクロスします。反対の足も同様です。
初心者の人は3つの動きを1拍ずつ重めにしてしまいがちですが、音楽のリズムに乗って軽くステップを踏むように意識してみましょう。簡単に見えますが、ハウスミュージックの音楽に合わせると難しいので、ゆっくりのテンポで1つ1つの動きを習得しながら練習することがおすすめです。
足で細かくリズムを取るため、基本のステップとはいえども難易度は高め。しかし、基礎をマスターすれば他のステップでも応用が効きます。
注意点として、足をクロスするときはなるべく、がに股にならないようにしましょう。腰を使って身体の向きを変えることがコツです。
基本的に身体のリズムがメインなので、足のリズムにつられないように踊ることが最終形態になります。
パトブレでは、以下の順番にステップを踏みます。
①片方の足を1歩外に出す。
②反対側の足を1歩目の後ろに回しこむ。
③1歩目の足を2歩目の足のそろえるように外に出す。
④①~③を反対側でも行う。
パトブレのポイントは、2歩目を出すときに身体を反転させていくことです。また、手の動きは大きくしすぎないように、リラックスしましょう。
ステップでは膝と足首を柔軟に、ダウンのリズムをキープします。半円を描くイメージで、左右に身体を振りましょう。
初心者の人がパトブレを練習するときに注意すべきポイントは、2歩目の足を1歩目の足と揃えることです。無意識に2歩目の足をその場で足踏みしてしまう傾向が多いため、3歩目で大きく前に出るアクセントを加えるといいでしょう。
ハウスダンスの曲調は速いので、シャッフルでは速いスピードのなかで、力を入れずに足を動かす必要があります。軽くホップしながら「アップ・アップ・ダウン」のリズムで左右に移動することがコツです。
アップで片足をキック、アップでキックする足を入れ替え、ダウンで今出している足を浮かせた状態で膝を後ろに引いていきます。この動作を左右繰り返すステップです。
シャッフルを踊るポイントは以下の5つです。
シャッフルでは、左右へ素早い重心移動するので、ステップ中は常につま先を重心に心掛けましょう。また、つま先立ちしてから勢い余って床から少し浮いた感覚で動くことで、素早いステップができるようになります。
シャッフルが遅れがちで、疲れてしまうダンサーの多くは真上にジャンプしていることがほとんどです。身についてしまったクセを直すことは難しいですが、自分が踊る姿を鏡や動画で見ると気づきが早くなります。
ハウスダンスにおいて、すべての動きを強くするとテンポが遅れることも。素早く身体に負担をかけないためにもリズムにアクセントをつけることが大切です。
終盤になると体力の消耗が激しくなることが多いため、なるべく最小限の力でシャッフルを行うことがポイントになります。
身体を横に向けたりすると、上半身が追い付かなくなるので、身体の軸が床に対して垂直になるように意識してみましょう。そして、蹴るときは太ももではなく、膝下から蹴るようにすると、疲れが抑えられます。
クロスステップは、ハウスダンス初心者の人でも習得しやすいステップになります。リズムをキープする練習にも最適です。
ハウスダンスでは、足をクロス・膝下から蹴る・足をはらう・踏み込むの4つを意識することがポイントで、加えて上半身も動かしていきます。
腕を上下に動かすだけでは、身体全体でリズムを取るときに硬くなりがちです。身体全体を柔軟に動かすイメージでリズムを取ると、リズムをキープしやすくなります。
足と腕の動きは連動するので、身体全体の魅せ方も変えることが可能です。クロスステップでは、足を肩幅くらいまで開き、片足を前に持っていくように両足をクロスさせていきます。
クロスするときに、前に出している足の方向に身体もひねるようにしましょう。身体の向きを変えずにそのまま足を開き、足の位置を一直線ではなく、向いている方に合わせて前後します。あとは左右交互に繰り返すのみです。
今回は、ハウスダンスの起源から特徴、ヒップホップダンスとの違いについて解説しました!
ハウスダンスでは上半身で刻むリズムと、下半身のリズムとは異なるため、初心者の人にとっては苦戦するダンスかもしれません。しかし、基礎さえ習得すると、ハウスダンスの基礎をベースに応用という形でステップの幅が増えていくので、踊るたびに楽しくなるダンスです。
力よりも技術とリズム感が求められるジャンルなので、意外にも女性に人気があります。他のジャンルを経験しているダンサーであっても、リズムの取り方が根本的に異なるので、苦戦することも。
他のジャンルではベテランダンサーでもスタート地点は同じなので、焦らずに習得することがおすすめです。
この機会にハウスダンスを始めてみましょう!