ロックダンスはアメリカで誕生したストリートダンスの1つです。ロックダンスの「ロック」は、カギをロックするという単語から由来しています。
激しい動きのなかで、突然止まるスタイルが特徴のダンスです。具体的には、ステップやジャンプの動作しているときに、静止してポーズを取ります。
静止するときには、腕の関節に力を入れることで、カギを掛けたような表現がポイントです。
ロックダンスは他のストリートダンスのなかでも、アクロバティック技を使用した動きがないため、未経験の人でも学びやすいでしょう。
ロックダンスに使用されている音楽は、1970年代に流行したファンクやソウルといったジャンルの曲に合わせて踊ります。ロックダンスだから「ロック」のジャンルではないことを覚えておきましょう。
最近では、エレクトロやハウス、R&Bの曲に合わせるダンサーも増加しているようです。ロックダンスが生まれてから50年近く経った今でも、人気が途絶えないダンスの1つとして時代の変化と共に進化を続けています。
もともとはアメリカでロックダンスを広めたドン・キャンベルは、「ザ・ロッカーズ」というロックダンサーのグループを結成しました。派手なピエロのような恰好でメンバーの個性を活かしたコミカルなダンスとしても知られています。
ロックダンスは音楽のロックと曖昧になる人が多いようですが、実際には使用している音楽そのものが異なります。生みの親であるドン・キャンベルが、ファンキーチキンと呼ばれるダンスをなめらかに踊ることができなかったことがきっかけで、ロックダンスが生まれました。
彼がなめらかに踊れない代わりに、突然静止させるスタイルを生み出し、周囲のダンサーたちの関心を集めたことでロックダンスのオリジナルが流行し始めます。
ロックダンスの代表的な振り付けには、観客に向かって指をさす「ポイント」と呼ばれる動きがありますが、当初は笑われたことがきっかけで何気ない動作を取り入れたものがほとんどです。
しかし、ドン・キャンベルがそれをヒントにダンスとして取り入れたことが、他のダンサーからすると革命的なものだったのかもしれません。
また、音楽のロックと勘違いしてしまう理由に、ブレイクダンスの基本動作であるアップロックの語源に「Rock(ロック)」が混ざっていることも。思わず音楽のロックをイメージしてしまいそうになりますね。
先ほど紹介したように、ロックダンスの音楽は基本的にファンクやソウルがメインなので、ロック音楽が使われることはほとんどありません。ロック音楽を使用したダンスは、ミュージカルによく見られます。
日本でロックダンスが知られるようになったきっかけは「ザ・ロッカーズ」のメンバーである、トニー・ゴーゴーが日本に住み始めてからといわれています。
さらに彼の息子たちが結成した「GOGO BROTHERS(ゴーゴー・ブラザーズ)」の活躍により、認知度が高まるようになりました。
彼らは、世界的なダンス大会で日本人のロックダンサーとして世界一になった人物です。その活躍により、日本中にロックダンスが根付いたといいます。
日本で有名なアーティストでいえば、ジャニーズの嵐や中居正広もロックダンスを踊っているため、意外と身近な存在だと気づくことが多いようです。
ロックダンスは、今後も人気が途絶えないジャンルとして期待されています。
ロックダンスは、激しい動きやコミカルな動きの途中で突然静止する、流れが独特のスピード感が特徴です。また、かつてトニー・ゴーゴーがピエロの格好で踊ったように、衣装や表情で表現することもあります。
動きだけでなく、見た目からも楽しませるロックダンスですが、まだまだ進化しがいのあるジャンルのダンスです。
今回は、以下のロックダンスのかっこいい振り付けを紹介していきます。いずれもロックダンスに欠かせない振り付けですが、かっこよく見せるためには個人の努力も必要です。
上記以外にも、挨拶するときにタッチする動きから生まれた「ファイブ」や観客を指さしたときの仕草を「ポイント」として派生しています。
日常的に何気ない仕草から生まれたことも特徴的です。今回はそのなかでも、代表的な振り付けを紹介するので、動画を見ながら真似をするところから始めてみましょう。
スキーターラビットは、ロックダンスの基本ステップですが、ダンサーによってスタイルがさまざまです。自分が気になったスタイルから始めてみてもいいでしょう。
こちらのステップは、4カウントで1つとして構成されており、ロックダンス未経験の人でも苦戦することなく、習得ができる技です。
スキーターラビットの練習方法は、以下の流れになります。
スキーターラビットを上手く踊るコツとして、足を蹴るときは膝をリラックスした状態で行うことがポイントです。
リズムに合わせて飛びながら、足のつま先に体重を乗せるようにすると動きやすくなります。
ウィッチアウェイは、身体を正面に向きながら片足を横で上げる動作を繰り返す技です。足を肩の高さまで上げるため、普段から股関節を伸ばしておくといいでしょう。
こちらの技は、足を大きく動かす動作となるため、流されて身体の軸が足を上げる方向に行ってしまうこともあります。
ウィッチアウェイの練習方法は、以下のとおりです。
上記の動作を繰り返してきます。
ウィッチアウェイを行うときのポイントは、足を身体の横に上げるときは、かかとから上げるようにすることです。単に上げるだけでは、平坦な動きになりがちなので、かっこよくみせるように意識してみましょう。
また、体重を片足ずつ乗せ換えながら、バウンスすると、ウィッチアウェイの動作がスムーズになります。
シャッフルは「クロスハンド」とも呼ばれており、その名のとおり、手首を回転させながら足と身体も同時に動かす技です。
難易度が少し上がるため、最初は手首や腕の動作から練習するといいでしょう。いきなり全部やろうとすると、絡まってしまうため、上半身の動きを習得してからシャッフルを習得してきます。
シャッフルもロックダンスの基礎になるので、習得してしまえば、無意識にかっこいい振り付けの1つとして自信が持てるようになるでしょう。
シャッフルの流れは、以下のとおりです。
ポイントは左右に移動しながら、メトロノームのように動かすことです。メトロノームの針のように身体の軸は一定に保ちながら、左右に揺り動かすようなイメージになります。
中級者向けの技なので、十分にアイソレーションや簡単な技を習得した人なら習得に時間はかかりません。
ストップ・アンド・ゴーは、走り出す瞬間を表現した動作です。技の流れで、静止することで「ストップ」を表現しているため、静止するときはしっかりと止めることが大切になります。
足の動きは片方の足を後ろに着地させるだけなので、複雑ではありませんが、上半身の動きが重要です。
ストップ・アンド・ゴーの練習方法は、以下の流れになります。
上記の動きを繰り返しながら、技を習得していきます。
他の技よりも比較的動作が単純なので、一定期間、練習すると習得が早いでしょう。ストップ・アンド・ゴーのポイントは、前に出した左足のかかとで返し、腕の動きは走るときのような表現にすることです。
今まさに走り出すようなイメージで練習してみましょう。
トゥエルは、右足のかかとでリズムをとりながら、片方の腕と手首を返す技です。他の技でも、応用として使用されていることが多いため、ロックダンスにおいて重要になります。
基本的に上半身の動きがメインになるため、基礎のトレーニングとして活用も可能です。トゥエルのポイントは動画にもあるように、手の形は卵を持つように軽く握りしめます。
トゥエルの流れは、以下のとおりです。
一見、簡単そうに見えますが、意外と手首の動きが速いため、痛めないように常にストレッチが必要です。
手首に力を入れずに返すと重くならないので、素早いトゥエルができるようになります。
本記事では、ロックダンスについて紹介しました。ロックダンスは身近な有名アーティストも踊っているため、親近感が湧くダンスの1つです。
また、ストリートダンスの1つとして、世界でも人気が高いジャンルになります。激しい動きのなかで、突然静止するダンスなので、追求しがいのある踊りとして最近でも最新の音楽に合わせるダンサーも多いようです。
ロックダンスの技でも、それぞれの基礎がかっこいい動きばかりなので、習得してしまえば自分の技になります。
アクロバティックな技がほとんどないため、ロックダンスの経験が少ない人でもある程度練習すると、一通り踊ることが可能です。どのダンスにも共通していえますが、とにかく自分が楽しむことで習得も早くなります。
今回紹介した動画を見ながら、この機会にぜひ練習してみてください。